女は狂うモノだと言っていた。確かに女は危険だ。
私もそう、時々危険だ。どうにかまともに過ごしていきたいものだ…
まともって何だ? 狂うの領域が大分あやふやになってきた今日この頃、
どうバランスをとっていったらいいだろう…
と気が付けばブツブツと思い巡らしていました。
やはり…危険だ。。

永作博美(女優)

「何もしなくていい。あなたのまま、ただそこに居てくれれば。」
東監督に頂いた言葉は僕の宝物だ。
一切の無駄を排除した 東監督の演出の虜になり、
もはや逃れられない。

滝藤賢一(俳優)

本作のテーマは「虚無感から生まれる何か」
夫は仕事に明け暮れ、娘は中学で忙しい。
念願のマイホームで一人取り残された主婦は、女? 母? 何者なのか?
この虚無感を埋めるために、女を感じさせてくれる美容師のストーカーに走る。
しかし人間はイケナイことをするとなぜか輝く。
恋、嫉妬、執着、興味、憎悪渦巻く、形のない何かを、本作はぶちまけている。

有村昆(映画コメンテーター)

何不自由ない主人公・小夜子が、
(自分でも気づいていない心の渇きを癒すかのように)海斗とのふれあいに執心する。
面白いのは、監督が小夜子を世に言うストーカーとしては描いておらず、
彼女は分別をわきまえ冷静なのである。
むしろ小夜子に抗議をする海斗のガールフレンドの方が、
ストーカーめいた静かな彷徨よりずっと極端に見える。
海斗役の池松壮亮の職人的に練られた演技もさすがで、
それを眺める監督の満足が伝わってくる。

樋口尚文(映画評論家)